放射線医学教室とは
Medicine

放射線医学教室(診断部門)

放射線医学教室での診療内容には画像診断と画像下治療(IVR)があります。いずれも最新鋭のモダリティと専門知識と技術を持った医師の存在が重要であり、その両方を備える当教室では診療実績が年々増加しています。 当教室の特徴として、 Eラーニングではなく、胸部単純写真などあらゆる画像に現場で触れながら学べる機会があり、それぞれの分野に精通した専門医から直接指導を受けることができます。また、高度な画像診断技術を駆使して、体を開くことなくわずかの傷と麻酔で外科的治療を行う手法であるIVRは、さまざまな疾患や病態に応用されており、低侵襲の治療法として注目されていますが、日本のIVRをリードする専門医からの指導のもとで確かな知識と技術を身につけることができます。

モダリティ

MRI装置

超電導磁気共鳴画像診断装置「Ingenia Elition 3.0T」は、新開発されたグラジエントシステム (Vega グラジエント) を搭載。Vega グラジエントは高い空間分解能と高いコントラスト分解能によって、高画質化を実現し、画像診断を強力にサポートします。また、Compressed SENSEとの組み合わせにより、検査の高速化を実現し、患者さんの検査ストレスを軽減することが可能です。

SPECT装置

核医学検査装置「GCA-9300R」は、頭部SPECT検査および心筋SPECT検査において、高画質化をコンセプトに開発された3検出器型SPECT装置です。検出器を180度回転させて断層像を得る2検出器型装置に対して、3つの検出器を搭載しているため120度回転するだけとなり、より効率よくデータ収集することが可能。さらに、頭部および心臓のSPECT検査に最適化された設計を生かして、ホールボディ収集に対応しています。

PET-CT装置

PET-CT装置「Cartesion Prime」は、ディープラーニングを用いて設計された画像再構成技術Advanced intelligent Clear-IQEngine – integrated (AiCE-i)をPET部とCT部の両方に搭載しています。PET部においては、光センサーにデジタル半導体検出器を採用することでTOF性能を向上させており、AiCE-iを搭載することで、より一層の画質向上と検査効率化を実現し、患者さんのの検査負担を軽減します。

核医学ガンマカメラ

核医学検査装置「Symbia S」は、体内のアイソトープ分布を検出して画像を構成するエミッションCT装置です。59個の高効率光電子増倍管を備えており、超高感度かつ高速動作が特徴。全身のSPECT画像を得ることができるほか、プラナー撮影にも対応しています。

高度医療・研究内容

1.最新型のCTやMRIによる全身の高速・高精細撮像法

CTやMRIが潜在的に持つ形態・機能などの情報取得機能を、臨床的観点から最大限に生かすための撮像法および画像処理方法を研究しています。循環器領域(冠動脈疾患の診断など)、脳神経領域(さまざまな病態における脳血流の解析など)などを中心に臨床応用が行われています。

2.バルーンカテーテルによる血流コントロール併用手術療法

癒着胎盤のある妊婦の帝王切開や巨大な血管奇形などの外科的処置中に大量出血が予測される場合に、あらかじめバルーンカテーテルを太い血管に留置し術中の血流量をコントロールし出血量を減少させる手法です。

3.産後出血に対する子宮動脈塞栓術

大量出血で生命的危機に面した産後出血に対して、止血目的で子宮動脈などの骨盤内動脈にカテーテルを進め塞栓する手法です。外科的処置より低侵襲で子宮の温存が可能です。

地域連携

地域医療連携を通じて、地域医療機関からの依頼に応じさまざまな画像検査や診断を行っています。また地域の医療スタッフを対象とした不定期の画像診断の講義を実施し、地域の医療教育をサポートしているほか、多摩地区を中心に医療レベルの向上を目的とした以下の研究会、講演会を定期的に開催しています。

  • 多摩画像医学カンファレンス
  • 東京MRI研究会
  • 吉祥寺画像診断セミナー
  • 多摩IVRと画像診断セミナー など
    • 診療実績(平成30年度、画像診断対象数のみ)

      胸部単純撮影61,505件
      腹部単純撮影19,319件
      マンモグラフィー2,217件
      消化管透視撮影1,286件
      CT52,376件
      MRI21,342件
      核医学検査2,350件
      血管撮影・IVR4,648件